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2014/09/17

好奇心の源泉

先日、幕張メッセで開催されている「宇宙博2014」(http://www.space-expo2014.jp/)に行ってきた。会場にはNASAとJAXAから来た展示品の数々。これまでの、アメリカ・ソ連・日本の宇宙開発の歴史を垣間見ることができた。展示品の中に、日本人として初めてコマンダーを務め今春に帰還した宇宙飛行士・若田光一さんからのメッセージがあった。宇宙に憧れる子どもたちに向けたメッセージだ。若田さんがメッセージの中で強調していたのは、「好奇心を大切に、目標をはっきり持ち、目標に向かってあきらめることなく一歩一歩努力していく」ということ。宇宙に関わる仕事をするためのアドバイスである。

宇宙に関わる仕事でなくとも、何かを成し遂げるためには、若田さんのアドバイスは全くもってその通りである。しかし、一体どれくらいの人が若田さんのアドバイスを遂行することができるのだろう。多くの人は成し遂げる前に途中であきらめる。時間がない、私にはできないなど、あきらめる理由はいろいろあるだろうが、結局のところ根源にあるのは、その成し遂げたいことに対する興味(好奇心)が少ない、ということだと思う。人間はしたいことをする。興味があることは、好きなこと/したいことなのでそれをするのは問題ない。反対に、嫌いなこと/したくないことは興味がないことである。たとえ興味があったとしても、興味の度合いはそれほど高くないか、心の底から湧いてきたという興味、好奇心ではない。利害などから発生した興味、好奇心である。だから途中でやめることが可能なのだ。

強い好奇心、興味はどうやったら生まれるのだろう。私は好奇心は「偶然の産物」だと思う。好奇心が生まれる、ということはその対象に接することがまず前提としてある。その対象に接するかどうかは恣意的であり、偶然の出来事だ。また、その対象に対して強い好奇心が生まれるかどうかも偶然である。才能ともいえる。そう考えると、何かに対して強い好奇心を持つというのはけっこう難しい。一時的に何かに好奇心を持つことは簡単だが、何かを成し遂げるほどに継続する好奇心は素質、環境、運が揃っていないと生じるものではないように感じる。ましてや、私を含め、年を重ねてたくさんの経験をし、感度が鈍くなった人たちにはなおさらだ。

強い好奇心は、何かを成し遂げるということを無理なく行わせる。強い好奇心がない場合、ある場合よりも、何かを成し遂げるには負荷がかかることになる。好奇心は持とうと思ってすぐ持てるものではないから、持てないことをぐだぐだ言っていても仕方がない。その時に好奇心の代わりをしてくれるのは、あきらめと忍耐だと思う。あきらめは、その成し遂げたいこと以外を捨てること。忍耐は、それを成し遂げるために必要なステップをやり続けること。やってるうちに楽しいことや喜びもあれば、つまらないことや挫折もあるだろうし、成し遂げたいことが成し遂げられるかも分からない。それでもひたすら続ける忍耐力である。