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2017/04/22

絵を描くこと

最近絵を描いている。鉛筆でのデッサンが多いが,色鉛筆やクレヨン,カラーペンもちょこちょこ使ったりして,とにかく描いてみようかなと感じたものを何でも描いている。これまでに,おうちにあるもの,目にした風景,ネットにupされている写真,テレビ番組で気に入ったシーン,外を歩いていて見つけたもの,模写,キャラクター,自分などを描いた。

私は絵を描くのが苦手だと長いこと感じていた。小さい頃は好きだったような気がする。数ページで終わったが自作の漫画を描いたことがあったし,小学生のときに参加した工場の壁への壁画プロジェクトは本当に楽しかった。でもいつからか絵を描かなくなり,美術の授業で大失敗作を生み出してしまったりして,美術から遠ざかっていった。大人になってから絵を描く機会はたまにあったけれど,何を描いたらいいか分からなかったり,何か描いたとしても幼稚過ぎる絵ばかりで,そうこうしているうちに絵を描くことへの苦手意識はけっこう膨れ上がっていた。

1ヶ月くらい前だろうか。年明けからそれまで研究のための本をいろいろ読んで短いレポートを書いたりしていたのだが,行き詰まり,一気に勉強する気を失ってしまった。そんな話を友人にしたら,絵を描くことを勧められた。苦手なことをするのはいつも躊躇するのに,そのときはなぜかすんなり描こうと思えて,近所のダイソーに行ってスケッチブックやカラーペンなどを買ってきた。で,早速描いてみた。最初に描いたのはうちにあるキャラクターのぬいぐるみだ。その後,そのキャラクターの服装を変えたりして新キャラクターを描いてみた。その後,なぜか地球や惑星の絵を描いていたのだが,思いついたことを絵にするとろくな絵が描けないから嫌になってきて,見て描ける周りにあるものを描くことにシフトした。そんな調子でそのときからほぼ毎日,何かしら描いている。

絵を描きながらいろいろ気づいたことがあった。
1つは,絵を描いている時間が心地よい時間だということだ。見ては描いて見ては描いてを何度も何度も繰り返しながら1つの絵を完成させていくのだけど,その時間は対象を見ることと描くことに精神が集中されている。そのときはたいてい,頭の中で言葉が消えている。言葉が浮かんできたとしても,この線はこれくらいの長さとか,ここの角度はこれくらいとか,絵を描くのに用いるものばかりである。日々の生活でなんとなくもやもや浮かんでくるような言葉はすべてなくなり,まとまりのない考えもなくなり,ただ見て描く,それだけの時間である。それがとても心地よく,心に落ち着きが生まれている。

2つめは,見ていたはずなのに見ていなかったことばかり,ということだ。例えば普段使っているコップを描くとする。まずは見ないで,記憶の中にあるコップを思い出して描く。毎日使っているから描けるだろうと思いきや,実際に描いてみるとろくなものが描けないことが分かる。そして実際見て描いてみると,ここはこうなっているのか,というのがわんさか見つかる。そうすると,これまで私の頭の中にあったコップ像はなんだったんだろうと思えてくる。知覚や注意,記憶のシステムを考えれば,見ていたはずなのに見ていなかったと感じるようなことが起こるのは普通のことなのだが,コップ1つでこんな調子なのだから,そのほかの多くのこともそんな調子に違いない。私の頭の中には大量の知ってるつもりがあるのだろう。

3つめは,対象に含まれるパーツはすべてそこにあるべくしてあるんだと思うようになったことである。絵を描くとき,そこにある対象に似せた絵を描くには,よくよく観察し,それを紙に描いていくこととなる。私の描く線はほとんど一発で決まらない。描いた絵を実物と何度も見比べ,ズレを何度も修正している。なぜなら,線や角度,傾きなどが対象のそれとずれて描かれたものは何か違和感を感じるからである。よく観察しながら部分を描いていっても,ある程度描いてから描いたもの全体を見てみると,違和感を感じることがある。そういうとき,描いたものをさらに観察してみると,描いたものの一部の線の長さや角度,比率がずれているのである。ちゃんと見て描いたはずなのになんで!?となることもしばしばだが(ここでも上記した感覚に陥る),さらに見て修正し,長さや角度,比率を地味に変えていくとそれほど違和感を感じなくなってくるのである。

そして最後は,絵は練習すれば描けるようになるということである。「私絵うまくないから」と私はこれまで何度も発してきた。今だってもちろん全然うまくない。でも,絵を描き始める前の私が今描いている絵を見たら,「あれ?私こんなに描けたんかい」と絶対びっくりすると思う。時間を使う,対象をよく見る,細部まで疎かにしない,ことを心がけるだけでも絵を描くことができる。とはいえ,絵を描くコツや技法もある。絵を描き始めて2週間くらい経ったころ,ベティ・エドワーズの「決定版 脳の右側で描け」を読みながら,そこに載っていた課題を描きながら,10日間くらいで初歩的なことを学んだが,よりリアルな絵を描くのに有益なものだった。

描いた絵は,Instagramおよびtwitterにupしています(どちらにも同じ絵をupしています)。興味がある方はどうぞ。上手でないことは重々承知しているので,寛容な心で見ていただけるとありがたい。
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