自己紹介

自分の写真
オンラインで英語個別指導します https://yokawayuki.com/service

2018/01/26

拡散的思考傾向とOpenness特性の関連

少し前に,思考方略と性格特性の研究を行った。拡散的思考傾向は,Openness特性とどれくらい関連があるかである。

背景
拡散的思考(divergent-thinking)とは,1967年にアメリカの心理学者Guilfordが提示し思考方略の1つである。彼は,彼は思考方略を,拡散的思考(divergent-thinking)と,収束的思考(convergent-thinking)の2つに分類した。拡散的思考は,解を1つに絞ることなく,さまざまな解決可能性を探索していく思考だ。

Openness特性とは,Big Five理論で提示されている性格特性の1つで,馴染みのものにとらわれず,経験を積極的に求め楽しむような特性を指す。ちなみに,Big Five理論は近年の性格研究においては主流となっている理論で,外向性(Extraversion), 調和性(Agreeableness), 誠実性(Conscientioiusness),神経症傾向(Neuroticism), 開放性(Openness)の5つの特性で性格は構成されている,とする理論である。

方法
拡散的思考傾向とOpenness特性の関連を調べるにあたり,拡散的思考傾向を調べるテストと性格調査への回答を被験者に求めた。思考テストは,アイディアの量,多様性,独自性の観点から評価して,それぞれの回答について得点を算出した。性格調査は,被験者の回答から,Openness特性を創造性,賢さ,感情の豊かさ,好奇心,に下位分類した。これらを用いて,相関を調べた。

結果
拡散的思考傾向とOpennessの間には,有意な正の相関があり,Openness特性の中でも創造性と関連があるということが分かった。また,拡散的思考の指標であるアイディアの量,アイディアの多様さ,アイディアのユニークさのいずれにおいても,Openness特性と関連があり,その中でも特に創造性と関連があることが示された。

もう少し詳しい内容は下記にて。ファジィ学会のワークショップhttp://kanto.j-soft.orgでの発表の際に使った資料(改)です。


参考文献
Guilford, J. P. (1967). The Nature of Human Intelligence. McGraw-Hill Book Company.
和田さゆり(1996). 性格特性用語を用いたBig Five尺度の作成 心理学研究, 67, 61-67.
藤島寛・山田尚子・辻平治郎(2005). 5因子性格検査短縮版(FFPQ-50)の作成 パーソナリティ研究, 13, 231-241.
佐藤三郎・恩田彰(1978). 創造的能力―開発と評価― 東京心理
住田幸次郎(1966). 創造性検査尺度の構成と吟味 京都大学教育学部紀要, 12, 29-45
西康隆(2001). 小学生の創造的態度についての研究―体験・学力・創造的思考との関連を通して― 兵庫教育大学大学院,14
下仲順子・中里克治・権藤恭之・高山緑(1998). 日本版NEO-PI-Rの作成とその因子的妥当性の検討 性格心理学研究, 6, 138-147
矢野正晴・柴山盛生・孫媛・西澤正己・福田光宏(2002). 創造性の概念と理論  国立情報学研究所

2018/01/10

2018年ことはじめ


2018年が明けて早1週間…。昨日やっと今年最初の大仕事?である論文の執筆を終えた。執筆を始めてから1ヶ月弱,提出日3日前にしてようやく,ようやく形になりました。とりあえずホッとしている。

今回論文にしたのは,企業ロゴの印象について。いくつかの外国企業の企業ロゴを調査参加者に提示し,それぞれのロゴに対して,質問項目にあるような印象をどの程度感じるか評定してもらった。また,各企業ロゴを色や形,フォント,大きさなどのいくつかのルールに基づいて評価した。そして,それらのデータを因子分析&ラフ集合分析して,どのようなデザインがどのような印象を人に与えるか,をまとめた。
本研究の個人的なハイライトは,ラフ集合分析をやってみたことだ。因子分析は何度かやったことがあったが,ラフ集合分析は聞くのもやるのも今回が初めて。本を読んで基本をおさえ,かなり付け焼き刃な状態で取り入れた。企業ロゴの評価データ最初にしっかり用意しなかったせいで何度も分析をやり直すことになったが,そのおかげでラフ集合分析はけっこう使えるようになったし,因子分析のみで明らかになったこと以上のことが明らかになったので,やってよかった。

にしても,今回の論文執筆,振り返れば長い道のりだった…。テーマの選定から絞り込みまでに紆余曲折しまくり,結局収拾がつかず,先生の研究テーマの一つである企業ロゴについてやることになり,やることは決まったもののモチベーションは浮上せず,よってなかなか執筆は進まず,分析をしてもいまいちピンとくる結果は出ず,分析対象絞ったらいい感じになりそうだと気付いてまた分析をやり,結果が出たところで書き始めたら今度は規定どおりの図表を作るのにまた時間を要し,図表を完成させて考察を書き始めたら,データにボロが出てきて分析をやり直し,さらに考察も書き直し…という感じで完成した代物である。完成したとはいえ,今回の顛末については反省し学習しなければいけないことがたくさんあるので,そうしたい。

この1~2ヶ月間,主にゼミ室で分析や執筆を行っていたのだが,同じく論文を抱えてゼミ室に詰めていたM2の皆さんには本当に助けられた。分析や論文のストーリー展開のヒントとなるような助言をたくさんもらえたし,サブカル話や世間話でも大いに盛り上がり,ものすごい息抜きになった。サンリオピューロランド行こうとの突然の誘いにも付き合ってくれた。それに,なんといっても頑張っている人が近くにいるというのはとてもいい。私もやろう!って気になれるから。一人だとすぐ気が散ったりくじけたりしてしまう状態だったので,ゼミ室とM2の皆さんの存在は本当にありがたかった。感謝!

ところで,私の今年のテーマは「消費から生産へ」だ。論文が完成したことでとりあえず1つ生産できた。でも普通に生活していると,消費のほうが多くなりがち…。今後も生産がんばろー!